ブイネット教育相談事務所


2007-01-07 教員採用試験問題漏洩

_ 教員採用試験問題漏洩

福岡市の教育委員会理事が私立小学校元校長に教員採用試験の際のグループ面接の課題を漏らしていたことが明らかになった。元校長は、理事から口頭で聞いた内容をもとに受験生向けの予想問題を作成したことを認めているが、資料自体を漏らしていることは明らかであろう。元校長は中学校採用試験の問題も漏洩しているようだ。ここには親戚縁者の匂いが漂う。

私は長年、各教委が採用試験で不正行為を行うことを見抜いて来た。その理由は、有能な教員志望者の若者が面接試験で落ち続けるからである。そしてまた、その一方で、どうあっても教員に向かない人材が合格し続けることに強い疑念を抱いてきた。

日本は「コネ社会」である。教師の親の6割が教師である事実は、どう見てもこのことを裏付けると考えていた。したがって、不正な採用試験は全国各地で行われ続けて来たに相違ないと思っている。

教師の無能が歌われて久しい。その理由は、教員採用権を握る教育委員会にあると見て間違いない。このことは、校長採用試験、副校長採用試験でも同様である。これらの試験ではカンニングがまかり通っているのは既成の事実である。

では、どうしてこんなことになるのか。それは教委のさらに上部が、思想信条において自分たちに不利益な人材をできるだけ採らないようにして来たことによる。

共産党は、日の丸君が代に積極的に反対しない。その理由は、そのことが自らにとって不利な結果をとることを見抜いているからである。ゆえに採用試験でも、自分たちが共産党寄りであることをできる限りオモテに出さない戦術をとる。

この問題を解決するには、縁故による採用を重視することになる。そして、そのことが、今回の問題の事前漏洩につながるわけである。私はこのことは、思想信条の自由を歌う日本国憲法の理念に明らかに反することだと思う。ゆえに今回の事件が明らかになったのは、富山県教委の履修漏れ問題と同様に、共産党のリークである可能性が高いと思う。

安倍政権が、教委を批判しようとしたことは正しいと思う。しかし、その小泉的発想は、自民党文教族の利益と圧倒的に反する。だからこそ、つぶされた。

ここにあるのは、「理念」ではなく「利害」である。

教員免許更新制度の主張は正しいが、その場合は、教委システムをゴワサンにすることが必要不可欠である。教委とは、早い話親玉の真似をした「天下り」システムである。

どう考えても、教育改革には、文科省の解体が欠かせないようである。田中角栄が始めた補助金システムは官の腐敗を招いた。上がズルすれば下も右に倣えするのは当然のことではないか。私は全ての責任は文科省にあると確信する。