2009-09-16
_ 民主党組閣
鳩山内閣文科省大臣に、川端達夫氏が就任することが決定した。この人は教育行政の専門家ではない。おそらくややフラットな立場で、「教育の機会均等」という、民主党の政策を粛々と履行していく役目を担うことになるだろう。現場の「傍観者」に落ちないことを願うのみである。一方で、「NEXT」と噂されて来た輿石東民主党参院議院会長は、安倍内閣で成立した教員免許更新制度の廃止を提案する方向性であることをすでに公言している。
私は文科行政の上から下までのひどい実態を一気に解決することは無理だと思う。文科省を解体して、「教育省」を設立し、その仕事を教育に関することに限定して、未来ビジョンを持って、教育内容/テキスト研究、システム解体再構築、人材の育成などに力を入れることが必要だと思うが、実は「教育省」は、未来ビジョンの呈示と、地方分権化して教育を地域の自由裁量に任せる地方分権的教育改革のシステム造りをすることだけをすれば良いと思う。
何も全国で同じことをする必要はない。日の丸君が代が好きな県はそうすれば良い。反対に、それが嫌なものは、はっきりとそれを主張して、各地域で民意を問えば良いだけのことだ。
上からやるから意味のないことをつぶせない。上は自らの利益の基である「システム」を壊されたくない。
だから、下から現場で意味のないことを次々につぶして行くしか方法がないと思う。
このことの結果は教師たちにとっては恐ろしい。現状では彼らの少なくとも25%の首切りをしなければならないと思われるからだ。しかし、彼らも生活があるだろうから、たとえ収入は減ってもそれなりの経験を生かして「世代交代」がかなうまでは協力してもらうしかなかろう。大切なのは、教師たちに、システムや社会事情のせいにはせず、自分にはできない仕事であることを自分から進言するように仕向けることだと思う。その基準は、子供の心をとらえることができるかだと思う。それは、教育を受ける子供とその親によって判断させるべきであろう。もしこれを偽ったとしても、子供の目には絶対バレる。だから、早目に自分にはできないことを表明しなければより不都合な状態になることが分るようなシステム造りも必要だろう。やはり資格試験に通っただけで実際は仕事の能力がないことが判明した場合、未来世代を考えて、潔く教職から下りていただきたい。
こう考えると、教育の改革には、裁判員制度同様、国民の参加が欠かせないことが見えて来るだろう。「モンスターペアレント」とは、もはや旧い言葉であるが、これからは市民の間でこれを議論し、この中からも貴重な意見を拾うべきだと考える。しかし、これからはただわめくだけではすまない。苦情ではなく提案していく姿勢こそが市民に求められる。もしそうできなければ、教育改革は未来永劫に実現できないだろう。そして、ここに、もしここで教育改革のための未来ビジョンの提案を、哲学者や教育学者たちがまたしても怠った場合、教師たちに先駆けて、これらを追放することを提案したい。
最後になるが、ジャーナリストは、これまで経団連が教育行政にかけた圧力について詳細に調べて発表し、この責任を問うべきだと思う。資本主義社会の教育なのに、なぜに就職を起業に優先するするように仕向けたのかを。