ブイネット教育相談事務所


2005-10-14  失敗

_ 全国からの相談を受けているうちに、数少ないながら失敗も起こる。

最近の例であるが、私立高校3年の女子生徒が、志望大学への合格のため、国語の学習法を教わりに来た。この生徒は利発でしかも真面目である。すぐに合格させられると判断して、その上の大学を受験することをも勧めた。その理由は、自分が志望する大学を滑り止めにする大学の入試問題研究が、志望大学合格に戦略上有利なことが分っているからである。例えば、立教や明治や中央を志望する場合、それよりやや難しい早稲田の入試問題を練習すると受かりやすいことが上げられる。

この生徒の場合、まともなやり方で、志望校過去問ですでに50%以上得点できるので、私の知る受験テクニックを伝授すれば、70%以上の得点はすぐに可能になる。

本などでも紹介している通り、私のやり方は、選択肢を見てだいたいの答えを予想し、同時に本文の内容を推測した上で出題文に取り組むやり方である。このやり方が最も有効なのは、センター試験の国語である。慣れると、出題文を読まなくても65%以上得点できるようになるから、出題文を読めば85%以上の得点が可能になることになる。

初めの授業で、国語のやり方を示した。次の授業の時、時間がやや余ったので、英語長文のやり方を示した。いつも通り、選択肢の最後に、「本文の内容と合致するものを以下の1〜8の中から2つ選べ」という問題がある。私は、このうちの2組みの3つの選択肢が、使用される言葉が重複する同一のカテゴリーの選択肢であり、他の2つは独立した選択肢であることを示し、この3つの選択肢からなる2組の中に1つずつ正解が含まれることを示唆し、その中で明らかに異なるものを排除し、その残りの中から常識的に答えと思われるものを選びだした。もちろんこの2つが正解であった。その他の4択の選択肢問題も、出題文を見ないで答えを予想し、これも4問中3問正解してみせた。

意外なことに、このことは彼女のプライドを傷つけた。こんなやり方ができるのなら、真面目に勉強することは意味がなくなってしまうと思ったようだ。その通り、闇雲な暗記学習を強いられる受験勉強などほぼ無意味に近いし、アタマにも悪いというのが私の持論であるのだから、それは当然のことである。しかし、私は間違っていた。実直に勉強するものに、それを充分に認めず、私のやり方を示せば、普通の塾や予備校で楽しく勉強している子供達にとってそれが侮辱に相当することをつい見過ごしていた。私は、指導を受けることを止めることを申し出てきた彼女の親に、自分が至らなかったことを率直に詫びた。生身の人間相手の指導にいつまでたっても完全ということはない。無垢の少女をいたずらに傷つけたことを心から反省した次第である。