ブイネット教育相談事務所


2005-10-19  義務教育費国庫負担金問題

_ 小泉首相は、中山文科相に、国庫負担金のうち公立中学分8千5百億円の地方移管を重ねて指示した。

新聞には、「中山文科相が、首相官邸を訪れ、現行制度を維持するべきだと懸命に説いた」とあるが、首相官邸内のことは新聞記者の知る由もない。またしても森前首相が缶ビール片手に「小泉は殺してくれと言っている」と語った芝居同様の可能性が高い。

私は小泉首相と中山文相はグルだと見る。その答えは、11月上旬の内閣改造で中山文相が閣内に残るか否かで判明する。

最近さっぱり「競争原理」を口にしなくなった中山文相は、「教員の質と量が最も大事だ」と発言していると言う。渡久山元日教組書記長は、中教審答申について、「負担率をこれまで通りの2分の1と明記して欲しい」と注文をつけている。

つまり我が国の教育現場を最悪の状態に招いた、文科省と日教組の両者が同様の意見になっている。

これはどういうことだろうか。

もし税源が地方に委譲されると、教員を雇うのは地方自治体になる。地方自治体は速やかに教員の評定制度を打ち出すだろう。その結果、日教組系の教師の多くが職を失う可能性が高い。また、文科省が権力を失うことは目に見えている。すると、天下り先の様々なビジネスが保証されなくなる。センター試験事務局、教科書会社、教育政策研究所を初めとする数多くの組織が天下り先が解体される。ことは経済の問題なのだ。

この問題は、道路公団の問題と極めて類似する。美味しい権力、美味しい仕事。問題の本質を解決しようとしなかった組織が断末魔の声を挙げて抵抗しているのだ。

ただ心配なのは、靖国神社に参拝してきた小泉首相が一気に右傾化を目指している可能性があることだ。そのことを見抜いて苅谷剛彦東大大学院教授は抵抗しているのであろうが、明らかにお茶大の耳塚教授よりも要領が悪い。苅谷は、最近自己保全に走って、やはり教員の質の低下は認めざるを得ないという方向性に転じた佐藤学東大大学院教授に笑われているに相違ない。中山文科相の言う通り、もはや教員の質の低下は否定せざる事実なのである。だからこそ、教育大学の学長たちが自己弁護代わりに官邸を批判せざるを得ないのである。

文科省と日教組、彼らは最後まで自己批判できない組織なのであった。彼らは期せずしてこの国の右傾化に手を貸している組織と言える。小泉首相にとって、両者とも橋本派と同次元の対象であろう。国民は、大幅増税を覚悟するしかないと言えそうだ。