ブイネット教育相談事務所


2007-10-09 指定通行区分違反

_ 指定通行区分違反

広尾の病院に恩師を見舞った帰り、外苑で高速の入り口が逆方向の銀座方面だったので、どこか左側に一時停車して地図で確認しようとして信号で停まっていた。左手前方植え込みにいかにもくだけた姿勢の警察官がいるのは分っていた。信号が青になったのでそのまま前進すると、笛を吹かれた。「指定通行区分違反=直進時左折車通行帯通行違反」で6000円の青切符とのこと。巡査は、推定年齢42歳、種別:日本雑種犬。いかにもパチンコ、スポーツ新聞好きといったタイプで、姿勢が悪い。腹も出ていた。字も汚くて巡査の名前も読めなければ、判子の押し方も徹底しないので判読できない。彼は私に直進できないサインを送ることができたのに、敢えて偶然を装って笛を吹いた。「ブログに載せたいから写真を撮らせてくれない?」と言うと、「勘弁して下さいよ」と言う。向こうも組織からの指示でやっているのだろうから、抗うのは時間の無駄だ。それにしても納得できないことであった。外苑に寄ったのは、帰宅途中の娘を拾おうとしたのだったがこれは「空振り」。

その明くる日、埼玉山奥大学からの帰路実家へ向かおうとして、関越を降りて笹目通り環八に入り、井荻トンネルを出たところで、実家への近道、たぶん違反のところを左折してしばらくすると、後ろで白バイの点滅。降りて来た警察官は、推定年齢32歳、種別:外国犬血統書付き。

「危ないですよ。側道から合流する車と接触する危険性がありますよ。」

「そうでしたか。注意しているんですが、ラインが切れているし‥…」

「トンネル出口付近に直進しかできない表示がありますよ。」

「ルールはルールです。でも僕は今日であそこを20回以上曲がっているんですけれどもね。」

「20回ですか!どうしてこれまで捕まらないんでしょう!」

「井荻トンネル近辺が白バイ摘発重点地域なのは有名です。でも、本当に曲がれると思っていたんですよ。」

「とにかく今日分だけ切符を切らせていただきます。」

私は、頭の中で、この論理的に明晰な受け答えができるハンサムな、スカイブルーの服に染み一つない交通機動隊警官と前の日のだらしがない中年警官を比較していた。

「あなたみたいな品行方正な警察官だったら捕まってもこの通り素直になれるから不思議だよね。最近は身だしなみが悪く、しかもデブの警察官が多くてがっかりするよ。」

「ああ、それは自分も残念に思うことが多いことです。」

で、ここでいつもの嫌がらせ。

「ところで、ブログに載せたいが、写真に撮らせてくれる?」

ところが、青年巡査は顔色一つ変えないで、

「いいですよ。」と言った。

私は、理想に燃えたこの若き警察官が、やがて仕事に幻滅して、デブにならないことを心から祈った。

「ハハハ冗談だよ。」

今日は、「指定区分通行違反=左折時直進車通行帯通行」で6000円である。書類は極めて丁寧な字で書かれ、名前も判子も完全に読めた。実家に行くと、母は外出して留守だった。

読者諸兄、警察は年末に向けて、実地摘発増加

の指示を上層部から受けているようなので、運転時には注意されたい。