ブイネット教育相談事務所


2007-10-29 佐賀講演

_ 佐賀講演

台風直後で羽田が混んで、東京湾上空を何周もして帰って来た。

佐賀江北町講演は好評だった。本も会場で200冊以上売れたと言うから、出席者の半数近くが買って下さったことになるから、ホンガコツヨカタトバイ。また、地方自治体の苦しい現状と対応をつぶさに目にすることができて有意義だった。

波動好きの私には、九州に行くなら、やっぱり宇佐は落としがたいとの思い止まず、行きは大分に降りてレンタカーで宇佐へ。普段乗っているMINIと比較して、トヨタ車の効率の良いエンジン音の静かさに驚く。

やはり宇佐は素晴らしかった。これほど荘厳な波動に満ちたイヤシロは滅多にあるものではない。ここは特別の聖地である。おそらく「タカマガハラ」とは、ここのことだった。そして、祀られる「ヒメノミコト」は「ヒミコ」のことに違いない。

宇佐参詣後、高速で佐賀へ。最新型のカーナビの便利さに驚く。これなら地図が要らない。最近老眼の我が身にはありがたいことである。約2時間で現地着。

私は講演の際、予め原稿を用意しない。それは、用意するとかえって上手く行かなくなるからである。話す内容、順番、声音、語調は、話す相手を前にして初めて決まる。したがって、今回のように責任ある「基調講演」のような時には、先に現地入りし、密かに公に取材することが必要である。そして、この取材こそ、私の人生最大の「趣味」の一つなのである。私が文章書きを志した最大の理由もこれである。今回も面白いことが一杯あった。そう言うわけで、ここは一発、「『佐賀紀行』連載を」と思ったが、止めておくことにする。商業原稿とブログを区別し始める大人になり始めたワテ。出版社のご依頼にはお応えする、なんて「冗談」。以下参考までに講演事前配布文書。末尾ながら、今回の講演につき、江北町社会福祉協議会のご招待に厚く感謝する。

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_       講演要旨

_ 物事を学ぶ時に最も大切な力は好奇心(面白がるアタマ)と感受性(うっとりするココロ)である。これ以外の理由で子どもに学ばせてもあまり効率よく吸収しない。そして、子どもに、この将来の学問の基ともなる大切な力を与えるものは、子ども時代に健全に充分に遊ばせることなのである。

そのためには、少子化社会である今日、大人社会全体の協力が必要である。しかも子どもの自発性を奪わないために、子どもによりよい教育環境を設定して後は見守ることを主眼点にすることが大切である。

経済格差と地方の現状、高齢化、過疎化、農業問題と、世は問題山積みである。もし子どもたちに良い教育を与えて学力を付けると、子どもは町の外へ行ってしまい帰って来ないのではないか。そして実は親たちもこれを望みがちである。このジレンマをどう解決するか。

人の人生は90年になった。このことは60歳以上に30年あることを意味しており、これまでの人生観を全く変える必要がある。世に言う「隠居」とは、85歳以上になって考えることで、60を過ぎても社会と関わり続ける人間でなければならないのは男も女も同じである。

ということは、10代だけではなく、続く20代も30代も60代になっても、最後まで好奇心と感受性とコミュニケーションの能力を持つことができる人間教育をすることが大切になる。

「人の知恵が現れるのは、人によっていつになるか分らない」と言うのは『葉隠れ』の教えるところである。

まるで60年後に大木となって花盛える木の苗を植え育てるように、今教育は遥か未来をしっかりと見据えたものにならなくてはならない。