2006-09-22 命
_ 命
日中の許せる暑さ。夜の涼しさ。最高の季節である。
娘の帰国で病人元気。指折る日数が増えて喜ばしい。
面白いことがある。
病院に入院する際もこれが問題になるのだが、病父は女性に下の世話をさせることを実に嫌う。若い看護婦は絶対ダメ。自分でトイレに立とうとしては問題を起こす。
結局、「許される」のは、母と私。この二人には一物を見せても良いらしい。
ところが、娘は絶対にダメなのである。最後まで娘にだけはチンコを触らせないのである。
この状態になってまでも・・と単純には思うが、ここが「尊厳」の難しいところなのである。
老人は、ボケ病でなければ、深い考察を持ちながらそれを身体的に上手に表現できないものたちである。ましてや身動きならぬ病床では、「分っている」のは他ならぬ患者の方であるに違いない。
「デリカシー」を失っている存在と見なされれば、最早そこに「尊厳」は限りなくない。老人は,デリカシーを表現しようとする。
人間の最後は、言葉が伝達できない状態に至る。
残るのは表情だけである。
周りのものが幸福に感じる笑顔。
まさしく病人は「幼児」に他ならない。
生きている限り周囲を喜ばす。
働けなくても、喜ばすことがあるのだ。
老父が自ら冷やした水をチュウチュウ吸う時、
私にはえも言われぬ快感が走る。
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