2008-03-11 読書
_ 久しぶりで本屋に行ってごっそり本を買って来た。
何軒か回ったが、私の本は吉祥寺には一冊もなかった。
アマゾンでは売れているのにどういうことだろうか。
まず、和田秀樹著『子どもは公立に預けるな!』(ソフトバンク新書)を読んだ。
私は、こういう本をエリート中のエリートが書くことに深い疑念を感じることを禁じ得ない。
文科省批判においては、私と同様の立場であるが、差別を助長することを書いて平気でいるとは、知識人とは思えない。こういう人間を輩出する灘高とはとんでもない学校ではないかと思ってしまう。『ドラゴン桜』の編集者も灘高東大だった。
エリートの仕事とは、エリート候補ではない人を救うことだと思う。
そして庶民をダマさないことであるはずである。
ところがこの「教祖」は、エリートではない人を「差別化しろ」と言っているのである。
思うことは人の勝手だが、それをさもありげに表明するのは、情けないことではないか。
内容も薄く、相変わらず自分が超エリートで「成功者」であることを笠に着た言説が目立つ。
和田の実生活を知らない人が読めば、6年制私立を経て東大を出ることが素晴らしいと錯覚してしまうことだろう。
相変わらず不利なデータについては全く書かない。
恣意的なデータ処理をして自らを顧みることがない刈谷の言説を根拠として利用する。
「詰め込み教育」は悪くないというが、東大の現状が恐ろしいことになっていることには一言も触れない。
東大がなぜ大学院を無料化せざるを得ないのかにも触れない。
「勝者の論理」を語るだけ。しかも自分の子どもを公立中に通わせた実体験があるわけではない。
「公立に通わせるな」というなら、何で小学校お受験をしなかったのか。
結局自身の美味しい体験をふまえて、私立中学受験を勧めているだけである。
本来なら、公立再建へのアイデアを出すのがエリートの仕事であろう。
詰め込み学習をしたものの多くは、着想力と感受性を失う。そして、自分のことしか考えられない、他者への気遣いのない人間を産み出す。
この人は自分がその「代表」であることに全く気がつかない。
以上、当然のごとく、「冗談」で書いた。