ブイネット教育相談事務所


2008-09-14 日能研全国中学入試センター模擬試験

_ 日能研全国中学入試センター模擬試験

日能研全国中学入試センター模擬試験(9月7日施行)の国語記述解答を見て驚いた。サピや早稲アカの模試の出題/解答にはもう呆れるばかりだったが、日能研の大問一の記述解答例には「正解答」がなかった。まず、問九では、主語がないと答えにならないケースだがそれはなかった。しかも正解を書こうとするとやや字数が足りない。受験者の多くは、ここでいたずらに時間を食って、大問二をやり切る時間を奪われたことであろう。問10は、明らかに「分ってくれないことへの怒り」であるはずなのに、「母の行動のせいだといらだつ気持ち」とかすり解答。問13は、「罪悪感」の理由説明であったが、「知的障害者で、悪意のない母親を責めたことへの道徳的やるせなさ」を「自己嫌悪」とすり替える不手際。私は百歩譲って、これは国語専門教師の解答ではないと断定する。国語ができない「職員」の解答である。したがって、日能研の模試は「詐欺」であった。この模試を受けても学力も測れないし、かえって優れた者が「混乱」するのであるから、センター試験文科省とやっていることは同じである。

考えてみれば、左翼非左翼に関わらず、国語が本当にできる者を低賃金で雇うことはできない。最低でも年収800万以上を払わなければ人材を得られないから、そんな人を雇って模試を行えば当然赤字になる。

ゆえに、これは国語力を持たない一般家庭を前提とした「商売」であり、こんな解答が開成や麻布や筑駒などの上級校に通じないことは明らかである。日能研は正直に表明すべきである。「知識に偏重しないと入試稼業は成り立たないのです。国語レトリックには、一般家庭は盲だと認識して行っている」と。

同じく日能研の、「公立中高一貫校模試」では、実際の入試の特徴である、説明が難しい事柄への記述解答とははるかにはなれた模試であったにもかかわらず、6000円以上の受験料を徴収したということ。この採点は東大生を主とした、時間給1300円の学生採点でであろうが、正解答を作ることができない執行部の解答を見本にした採点が無意味化するのは明らかであろう。

高木さん、私は同業者の中で最も貴兄を敬愛するが、社会専門の貴兄には、やはり国語レトリックは了解不能な事柄なのですね。貴兄の管理が行き届かないために、無意味な試験に金を払う親を作った結果責任は中教審委員として極めて重いことですぞ。自分の子どもに受験させず、成城学園下から上までご利用の貴兄は、本当にお客を「バカだ」と思っているのですね。国民水準が低いからバレないと思っているのでは文科省施策と変わらないではないですか。

結局そもそもご家庭が優秀で国語力対処ができる者が順当に合格する。塾の無能国語教師のためではない。優れたご家庭は、進学塾の国語授業を受けさせないようにするのが普通であろう。

以上当然のごとく、「冗談」で書いた。