ブイネット教育相談事務所


2005-05-26 教育産業

_ そんなことは当り前だろう、というようなことが意外と分っていないのが世間である。

大学で教員資格を取るべく学んだはずの学校教師たちが、青二才であるはずの塾教師に劣るのはなぜだろうか。

その理由は、第一に、学校教師たちが、たとえ無能であろうとも、減給や免職にならないように身分を保証されていること、第二に、天下りの延長線でできた拙劣な教科書を使うことが義務付けられることと、第三に、末端に働くもののやる気を減退させる教育システムによることは明らかなことだと思う。

予備校や塾では、テキストを独自開発し、それを用いて、努力さえすればそれなりの効果が出せることを前提とした教師採用を行い、はっきりとした結果の判定ができるシステムを用いている。

ここには、お金をとって生徒を預かったのであるから、それなりの効果が出せなければ、事業を連続できないという、必然的呪縛がある。

塾経営は一対一では、成り立たない。最低20人のクラスを作り、自前の編集テキストを配り、教師に時間給三千円以上を支払い、それが連続できなければ採算があわない。

20人クラスで、週一回で月1万5千円(=30万円)を集め、講師に約月3万円の謝礼を払い、テキストと設備費、広告費と人件費並びに事務経費を支払った残りが利益となるのであるから、一クラス20人でやっとこさ利益が出るのが実体である。

つまり、教師に払う給料を限りなく圧縮する必要がある。

すると、能力のある教師は引き受けない。

学生家庭教師の平均的時間給が2500である時、能力のあるプロの教師たちは、最低でも時間当たり5000円以上でなければ真面目に働く気がしない。しかし、そんな人を雇っていてはとてもじゃあないが経営は成立しない。

例えば、近年、「現役生のための予備校」として有名を馳せているWでは、若手教師の時間給は4000円程度。90分の授業で6000円というのが実体である。これは院生家庭教師の平均的な時間給である3500円より若干上回るが、これでも予備校としては詮方ない思いであるはずである。

一クラス100人200人と大量に生徒を詰める予備校の黄金時代は去った。予備校側としては、一部の優秀な教師たちに優れたテキストを作らせ、それをカリキュラム通りに若い教師たちにやらせるというのが落としどころだろう。これは小中有名進学塾では定番の経営方法であり、大規模な広告にモノを言わせて多くの生徒を集めて、クラス数を増やすことによってしか、大きな利潤をあげることはできないのが実情である。そして、これらの予備校では生徒の半数が落ちこぼれ、さらにその半数は、以後全く成績の伸びない生徒を生み出してしまっている。

私の主催するV-net教育相談事務所を訪問する顧客には、6年生私立のなりふり構わぬ成果戦術や有名進学塾で勉強する気の失せた人たちの相談が後を経たない。