ブイネット教育相談事務所


2007-07-05 SEOUL紀行ー連載第17回

_ SEOUL紀行ー連載第17回

会場には約300人の人が来ていた。ほとんどが女性の予想に反して勤め帰りの会社員男性が多い。考えてみれば、夜7時では主婦は出られない。夫婦で来ている人もいる。同時通訳はプレスインタビューの時のキム ジミンさんである。

同時通訳では笑いがとりにくい。また私のようにマシンガンのごとく話すものには難しい。イヤホーンを通じて翻訳を聞く聴衆に笑いが起こったとしても、次の話をしている最中になるので、どこか妙な間になってしまう。だんだんそれを了解し、できるだけ文ごとに切って話すようにしたが、後で聞くと、通訳のキムさんは「早すぎて、かつてないほど大変だった」とのことだった。お礼が言いたかったが、疲労困憊の彼女は講演が終わると同時に姿を消した。

国民墓地は「ヒョンチュンワン」という。せっかく覚えたが、考えてみれば同時通訳なので意味がなかった。

著作物を受け入れてもらったことへの謝辞と自己紹介の後、初めに、教育コンサルタントという仕事と受験プロという仕事を説明紹介した。また、今回の訪韓で、両国が驚くほど似ている国であるという印象を語った。自分の上の子が幼児のとき、砂場に連れて行き、そこにいる男の子のお母さんたちのしていることを見て、「ああ自分の職業は将来も安定だな」と思ったこと、次に5年遅れて下の子どもを連れて行った時には、「ああもうこの国の未来はいったいどうなってしまうんだろう」と思ったことを述べ、事実その通りになったことを本に書いたことを話した。裕福さと世間体が唯一の価値基準で、自分自身の判断を持たない親たちが、塾と国家の巧妙な政策に引っかかりまくりであることはおそらく韓国も同じではないかという話し方をした。また、幼い頃から充分に遊ばなかった子どもが、たとえ優秀な大学に入学しても、創性やコミュニケーションの不全で、就職も結婚もままならない現実を報告した。

あっという間に30分経過してしまったので、ここで3択クイズを用いての話に移した。

読者は、「キーズ」という言葉をご存知だろうか。打ち合わせのとき、ソさんが「キーズ」というのを聞いて、「クソガキ」=男の子を言うのかと思っていたが、韓国語では「クイズ」を「キーズ」と発声するのである。東北弁で「つつじ」を「つつず」というのや、栃木弁で「ジュリアナ」を「ズリアナ」というのと同じたぐいだろうか。が、

元は英語なのでどちらが正しいかは分らない。