2007-07-24 SEOUL紀行ー連載第22回
_ SEOUL紀行ー連載第22回
外へ出ると、薄茶のスーツのリーさんがすぐに走りよって来る。
「先生、この本面白いですよ。私にもサインして下さい。」
待ちながら本を読んでくれていたのである。
夜のソウルを世宗路光化門近くのコリアナホテルへ。ここらはアメリカ大使館、日本大使館、文化会館各新聞社が集まる情報中心地域。
ホテル前に車を止めて、そこでソさんとキムさんにお別れを言おうとすると、彼女たちは、なおもホテルの中まで見送るという。結局ロビー前のエレベーターのドアが閉まるところでお別れ。明日のヨンセ大での朝鮮日報講演会は10時半からだが、ソさんは会場での準備があるので9時にキムさんが迎えに来るとのこと。
エレベーターの前まで見送られると、何か見張られているような気になる。昼間、街を車で走ったとき、世宗路市庁舎前で、何かのキャンペーンをやっている人たちがいたので、ソさんに質問すると、売春反対運動の人たちとのこと。私が、「そう言えば、昨夜ソさんとお別れした後で、女の子を紹介する男たちに声を掛けられた」と言うと、二人とも「えー!」と同時に口にした。日本から来る人はすぐにそう言うことをしたがるのであろうか。
我々がすぐにサウナに行くと、昨日のマネージャーが出て来て、「今日もサウナだけか?」と聞くので、「そうだ。サウナオンリー。」と答えると、ぶっ切ら棒に、受付の女性に、「この客はサウナだけだ」を意味すると思われる韓国語をしゃべった。
ここのサウナは本当に最高である。心地良い薬草の匂い。ゆったりとした湯船と、3種類のサウナ。
湯船につかって韓国人の男たちを観察する。韓国の男たちは日本人の男たちより体格が良い。みな重いものが持てそうな印象がある。それにどこかきりっとした体の洗い方をする。これも徴兵制があるためなのであろうか。
ラウンジでビールを飲んでいると、昨日と同様、仕事に疲れたエリートたちが、次々にマッサージルームへ消えた。私は実は非常にくすぐったがり屋なので、日本でもマッサージは受けないのである。