2007-05-21 SEOUL紀行
_ SEOUL紀行ー連載第1回
羽田発のKALで金浦空港に着いたのは午後10時10分。同行秘書役、扶桑社小生担当編集者の田中氏。
入国審査を終えてゲート外へ出ると、カードを掲げた若い女性が待っていた。この人が、今回私を韓国に招いた「21世紀ブックス」の担当編集者のソージョンさんであった。
「アンニョンハセヨ!」
私が覚えたばかりのたどたどしい韓国語で挨拶すると、彼女からは滑らかな「アンニョンハセヨ」が返った。
建物の外にはハイヤーが待っていた。
夜の闇の中、オレンジの道路灯が転々と続く中、車は滑らかにソウル市内へと向かった。
*
事務所にたどたどしい日本語で電話が入ったのは3月下旬のことだった。若い女性の声だったが、当を得ず、韓国に来てもらいたいということしか分らない。クライアントの相談に加えて次々と現れる出版企画に襲われて、私には家族と話す時間もない。
事務所では常に相談中か授業中である。断ろうと思ったが、電話番の高木さんに変わって、一応内容確認のため、メールを送ってくれるように頼んでもらった。北朝鮮絡みということもあり得ると思った。不肖私は、日本語教育の「専門家」である。
2、3日して、以下メールが届いた。
_ 松永暢史 さま
はじめまして。
私は韓国で<男の子を伸ばす母親はここが違う>を 訳した出版社のソ ジヨンと申 します。
とてもいい本を書いてくれてありがとうございます。
松永暢史 さまに会いたいです。
韓国に先生を招待したいですけど、予定はどうでしょうか。
新刊の広報のため招請講演を開けたいと思って、新聞社と接触しているんですが、
まず、先生の予定をどうか、聞きたいんです。
韓国にいらっしゃってくれますか。
返事を待ちます
私、日本語が下手なんです。間違いっても理解してください。