2008-05-29 理想と現実
_ 理想と現実
今年で結婚25年になる我がパートナーは、筋金入りの現実主義者であり、常に私の言うことに反論する。そのせいか、彼女は私の書いたものを一切読まない。
その彼女に、前回ブログに書いた内容を話すと、「それは安西さんが正しいと思う」と言う。
彼女は息子の公立中学校の授業で行われている「衝撃的な事実」を紹介し(この内容については、当ブログを学校の先生もチェックしている可能性があるのでここへは書けない)、「だからね、教師にしろ生徒にしろ、自分のことしか考えられない人たちを救うことにお金をかけることは、あまり意味がなくて無駄なことなのよ。それくらいなら一生懸命勉強している人たちに援助の手を差し伸べることにお金を使うことの方がよっぽど現実的なはずよ。国民全体のリテラシーを上げようとすることなんて、その人たちには気の毒だけど、無理に決まっているでしょ。」と断じた。
リテラシーがないのは、品性同様、家庭の問題、学校が解決することができるわけがない、というのである。私はなぜか昔トルストイが自著で、取材料を払って貧困者を救おうとして嘘ばかり話されて落胆したことを書いているのを思い出した。
暗澹たる気分になる。
だったら、貧しくても懸命に生きている人たちはどうなるというのか。
私はいかなる人間のリテラシーをも向上させるメソッドを考案/実践して来た。それを公教育で伝達しようとすることが無意味であるというのである。
自分の考えることが理想論に過ぎないとは、まさに「衝撃的な事実」である。
さて読者の皆さんは、この問題についてどう思われるか?
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