ブイネット教育相談事務所


2008-10-01 「常識外」

_ 「常識外」

学生時代に現象学の勉強でいささかそのご著書のお世話になった哲学者の木田元氏が、日経夕刊コラムで、氏が最も愛読した大哲学者ハイデガーが「性格が悪い」ことを述べ、それが歴史や社会について革新的な見方や常識を外れたすごい思想をもたらすベースになっているというのを読んで、微笑を禁じ得なかった。

常識的な人は、常識的ではないこと、つまり、非常識なことに不愉快なのであり、保守的な普通の人であることが多い。これに対して非常識な人は、世の中が常識的であることが不愉快なのだから、通常面白くないことが多かろう。

と、二分法して見たが、実は常識的な人の中にも非常識が、非常識な人の中にも常識があるのが当然であり、また、常識的な人が、常識的には非常識であるべき事態で常識を保つという「非常識」にも陥りうるので、関係ないと言えばそれまでであるが。

鹿児島ラサール東大法学部大蔵省卒業にもかかわらず、あまりにバカで非常識(写真判定)なために小生密かにファンとなっている中山道路交通相が、多分本当はなりたかった役職に就けなかったことをゴネて確信犯的に辞任した。ちなみに中川も東大法出身である。

この人は部分と全体の関係という考察ができない典型的な古日本人である。多分、東条英機同様、抜群の暗記力の持ち主であることだろう。この人は、日教組には良いところもあれば悪いところもあるということを知らない。また良い県教組もあれば悪い県教組もあることも知らない。良い日教組の先生もいればだめな日教組の先生もいることも知らない。そして、九州東部で起こっていることが日本全国で同様だと考えてしまう。日教組を包括的に攻撃するよりも、日教組の問題点をこそ指摘するべきなのだ。しかもそれも文科省大臣になって。道路交通と日教組の問題は全く関係がない。だからこの人のやっていることはめちゃくちゃである。市井にあるバカボンのパパ以下のパフォーマンスを公の場で平気でやるのだから、これほどおかしな人物はまずいない。しかし、非常識の極みのこの人物が、革新的な見方や常識を外れたすごい思想をもたらすとは思えないから、これはモリエール的喜劇である。セルバンテス的ドンキホーテである。辞任は誠に残念である。バカ殿森さんの直弟子が、師に輪をかけた失言連発するのを見れなくなるのは。こういう人は逢えばたいてい気の良いオヤジであろう。

と、冗談でこれを書く私は、「常識」でも「非常識」でもない、「常識外」とさせていただく。

文科省は、この件について、村山内閣合意のまま、日教組と手を組んで行く意向を表明した