ブイネット教育相談事務所


2005-07-01 橋梁談合と検定

_ 6月30日の新聞報道では、橋梁メーカーに天下りした日本道路公団OBの元副総裁、元理事、元技師長宅の家宅捜査をしたという。不思議なのはここまで書いても当人たちの名前が出ないことである。

夜のサウナ、妙にガラガラの日。日焼けした五分刈り筋肉中年男が、青白い顔をした小太り不機嫌ヅラの一見して管理職者と何やら話し合っている。彼等はその後長時間のマッサージを受けて、ラウンジで会食した。私の天国耳には、「対策」「情報」「来週また」の声が入って来る。

実は妙に神経質な青白小太りが先にサウナ室を出た後、建設男がにっこにっこで私に話しかけてきた。話の内容は、目の前のテレビの画面の巨人戦についてである。確か9回巨人が2点を追うゲームでランナーが出たところだった。

「ここで一発ホームランが出れば同点だね。」

苦心は感じられるが唐突である。私は苦笑した。繊細さとはほど遠い建設マンからすれば、私が通常の域を越えてニュワンスに敏感な人間であることは分からないだろう。何せ自慢ではあるが、かつてうちに泥棒が入ったときに、刑事さんに、「あんたのような人が警察にいれば助かるのだが」と言わしめたほどである。すぐに冗談で、「その上の公安の間違いだろう」と切り返しておいたが。緊張している管理職クンからすれば、絶対に勤め人には見えない得体の知れない人間である私がサウナ内にいるのは堪え難かったのであろう。

「最近の野球は訳が分からないね。何度も同じホームランシーンが出たりするので、どう言う展開なのか一目では分からないよ。サウナでしかテレビを見ないから着いていけないよ。」

日焼け筋肉マンは飛びついた。

「あんたテレビは見ないのか?」

これはかなり安心させる情報のはずであり、私はわざと耳に残るようにこの言葉を吐いている。

「私はテレビを持たない。もう20年以上前に捨てた。」

相手は面喰らった。でもなぜか喜んだ。

「ヘ−、テレビを持っていないの!そうなのそうなの!」

巨人のバッターが打ち取られてゲームセット。これについて筋肉マンは、何も言わずに軽く会釈して出て行った。見え見えでまるで小学生である。

建設関係の知り合いが言っていた言葉を思い出す。

「談合は互助システムだ。今の国家システムで、談合なしにどうやって建設業界がやっ

ていけるのか、その答えが知りたいよ」。

結果、建設業界は天下りを受け入れる。天下り人は、週に1度の出勤で役員待遇の高給や高額の退職金を得る。これは、道路公団に限らず広く行われていることに違いない。警察の風俗取り締まりも似たようなものだ。

ともあれ、ことの実態は「官僚」主導で行われていると言うことだ。談合云々よりもこのことこそが問題なのだと思う。売られているのは「情報」である。

長くなったが、なぜこのことを書いたか。その理由は、目立たないつもりだろうが、文科省でもこの天下りが行われていると言うことだ。センター試験事務局もそうだ。そして、教科書会社もそうである。東京都の教育委員会が教科書会社の温泉接待を受けていたことで摘発されたことはまだ記憶に新しい。そして、これも絶対に止まないことだと断言できる。道路や建設の場よりも、子どもの教育の場がカモにされていることに憤るのは私だけであろうか。「作る会」の教科書なぞ、これにくらべればはるかに可愛い。検定ってホントにもうかるのね。