2005-06-10 第2のセンター試験
_ 教育制度研究フォーラムというNPO法人が、全国統一学力試験の実施を決めたそうである。「センター試験は選抜の論理が優先されすぎている」として、高校卒業程度の知識が身についているかを判定する出題内容になるそうで、推薦入試などで早めに優秀な学生を確保する動きが活発な大学が判定基準に利用できるように10月に実施する予定であると言う。
周知の通り、センター試験事務局は、国立教育研究所や国立国語教育研究所同様、文部官僚系の天下り機関の一つである。センター事務局の独擅場である全国一斉統一入試に風穴を開け得るという点からすればこれを評価したいが、しかしここも会長は、元文部省官房審議官の中島章夫氏である。この試験が施行されても、1月に行われるセンター試験の受験者がそう減るわけではないから、新たな期間に試験をして受験生を集めてウマイ金もうけをしようと言うこまっしゃくれた下心が丸見えである。国民は、センター試験で1万円、この試験でも1万円を徴集されるわけである。
私立大学の試験が合否にかかわらず35000円という法外な値をつけているのに対して、これは1万円くらいだから安いではないかと取るのは甘い。なんとなれば、この試験も、センター試験同様のマークシート試験だからである。そして、センター試験の結果を用いる私立大学の入学試験はさらに15000円を徴集するのが一般である。
私は多年に渡りセンター試験の廃止を訴えて来た。その理由は、センター試験事務局が天下り機関の一つであることと同時に、我が国の学生の学力低下を招いた最大の原因がこの試験にあると喝破するからである。マークシート試験では、つまらないレトリックの読解や暗記の成否以上のものを問うことはできない。そこには創造性や自己表現力を判定する可能性が限りなくゼロに近い。主催者側は、そんな試験をやられる学生側に立ってみたことがあるのか。解答する代わりに欄を塗りつぶす試験。そんな試験を甘んじて受けることは苦痛以外の何ものでもない。自己の能力を解答欄の穴を塗りつぶすことで判定される。そんなことを平気で行う大人を子供たちがどう思うのか。亡国以外の何ものでもない。自分達で採点する手間を取る気がないのなら、試験などする必要はない。本当に頭に来る。こういう無自覚な大人たちが子供たちのやる気を削いでいるのである。どうせやるなら、ヴォランティアでやれ、と言いたい。これ以上下らない連中に見え見えの騙され方をすることはもう沢山だ。どうして新聞記者たちはそのことを強く批判しないのか。ここも自己の価値観を持たない高学歴者たちの巣窟なのであろうか。大人たちにこんなことを平気で行われる子供たちが本当に気の毒である。