2005-06-25 義務教育に関する意識調査
_ 文科省の「義務教育に関する意識調査」で、保護者の7割が肯定的な総合学習について、中学担任の半数以上が否定的であるとの結果が出た。しかし、結果を良く見ると賛成反対の全体教員数はほぼ半数である。教師の半分は良いと思い、半分は悪いと思っている。
私はこの結果を見てやっぱりね、と思ったところがいくつかある。
先ず、保護者の多くが肯定的なのは、子どもが喜んでいるからであり、同時に、これは多少のやっかみであるが、「準記名アンケート」のために、教員の労を理解しない選択肢に印をつけにくかったためである。教師はおそらく完全無記名であろう。
保護者は、学力向上を学校教員に求めても仕方がないことは了解済みだ。子供達の多くは、尊敬できる教員=しかられたときに素直になれる教員は、全体の20分の1だと言明している。テキスト、指導能力ともに塾の方が圧倒的に優れるのは最早完全な現実である。
次に、教師の多くは仕事がきついと思っているので、負担が大きい総合学習はやりたくないという本音が出た。仕事をしろと言われても、そもそも手当てが薄い上に下らない仕事も沢山加えられるので、能力を越えて努力する気がないのは警察官と同じである。
そして、これも国立教育政策研究所が編んだアンケートなのであろうが、いつも通り、政策的意図が見えかくれして、正確なアンケートにはほど遠い。例えば、「総合学習を負担に感じるか」とは聞かずに、「良いと思うか」と聞く点である。そもそも、教師と保護者に同様の質問をするところが謎である。保護者には、ずばり、「総合学習における教師の能力や努力を評価するか」とか、「文科省行政を評価するか」とか聞けば良いのである。後者の質問をすれば、肯定的な答えは10%を切るであろう。
つまり、この話は、文科省の行政能力と教師の労働意識が問われるべき話であるべきなのに、いつものように、行政側が損をしないことを前提にした意味のないアンケートなのである。文科省は分っているのだ。アンケート結果を出せば新聞がどう書かざるを得ないかを。そして、新聞は、高級官僚よりさらにアタマが悪いのである。自分達の能力がジャーナリズムの最先端を担うには軟弱すぎることに自覚的でない。
こうして、現場の子供達は、相変わらず劣悪な教育環境で学ぶことを強いられ、それを補うために保護者は塾予備校に高額の出資をせざるを得ないのである。さらに、新聞は、分っているのか分っていないのか、その事実には強く踏み込まないのである。価値観が喪失した我が国で、学歴を求めることが「宗教」化していることをこそメディアは客観化するべきであると強く思う。